あらい歯科ブログ

歯周炎と歯周病の違いは?

2017年2月20日 (月)

「歯周病」は、歯と歯茎の境目に歯垢がたまり、細菌が増殖して炎症を起こすことで発症する病気です。「歯周炎」はその歯周病の一つに分類されています。歯茎の炎症だけにとどまったものを「歯肉炎」と呼び、その炎症が進行して、歯を支えている骨にも広がり、骨が溶けてしまった場合は「歯周炎」と呼ばれます。最初は歯肉炎として起こるわけですが、歯肉炎を放置していると歯周炎になってしまうというわけです。歯肉炎も歯周炎も歯周病の一種なのです。

歯肉炎の場合は、歯磨きを丁寧に行ったり、歯医者でクリーニングをしたりすることで、改善されます。歯医者で早期に治療を行うことで、もともとの健康な歯茎を取り戻すことができるのです。しかし、歯周炎の場合は、歯茎だけではなく、骨にまで影響が及んでいるため、完全に元の状態に戻すことはほぼ不可能といえます。歯周炎の場合は、軽度の段階ではスケーリングという歯石除去を行います。中程度にまで進行すると、麻酔を必要とするルートプレーニングという処置が必要となります。これは歯周ポケットの奥のほうに潜んでいる歯石を取る処置です。さらに進んで、重度の歯周炎になってしまうと、最悪の場合は、歯を抜かなければならなくなってしまいます。歯周炎は歯肉炎が進行して起きるものです。歯肉炎の段階でしっかり治療をすることが重要になってきます。

歯周病の原因となるのは、歯垢です。歯垢は、いわば細菌のかたまりで、歯垢が歯に付着したままの状態が続くと、その中に潜む歯周病菌が毒素を作りだします。その毒素や、歯周病菌そのものによって歯茎が炎症を起こし、歯周病となるのです。

歯垢を取り除くためには、きちんとした歯磨きをするしか方法はありませんが、歯磨きだけでは、歯と歯の隙間に付着した歯垢や、歯ブラシの先が届かないような奥歯の歯垢までは落としきることができません。放置された歯垢は、虫歯の原因ともなり、また歯石へと変化していきます。歯石は、細菌繁殖の温床となりますので、歯肉炎の原因ともなります。そこで、歯肉炎、歯周炎を含む歯周病の予防にも、やはり歯医者での定期検診が重要になってきます。定期検診で、口腔内の状況を適切にチェックしてもらい、歯肉炎の早期治療、虫歯や歯周病の早期発見、歯石の除去などを行うことが大切です。お子様の場合は虫歯予防のためにフッ素を塗布してもらったり、正しい歯磨き方法の指導を受けることもできます。あらい歯科クリニックでも定期検診の大切さを患者様にお伝えしております。


カテゴリー:

TEL 042-739-4682