あらい歯科ブログ

セカンドオピニオンについて

2017年5月4日 (木)

世の中には腕の良い歯科医がたくさんいます。しかし当然のことながら患者さんに対して全ての歯科医が同じ治療を施すというわけではありません。そのため、患者さんの中には治療に関する他の歯科医の意見を聞いてみたいと感じる人もいます。このように自分を受け持っている歯科医だけではなく、他の歯科医の意見を尋ねることを、セカンドオピニオンといいます。恐らく多くの人は「歯医者さんで治療を受ける際には、プロの意見に絶対に従うべきであり、自分が意見を述べることなどあってはならない」と感じていることでしょう。しかし実のところ、患者さんであっても歯科医に意見することは間違っていません。実際、アメリカなどでは歯医者さんでのセカンドオピニオンが一般的なものとなっています。

セカンドオピニオンには様々なメリットがあります。歯科医は患者さんの歯の状態を見て、ベストと思える治療を施してくれます。そして治療に際しては歯の状態だけではなく、患者さんの年齢や健康状態、そして経済状況なども考慮されるのが一般的です。たとえば歯が完全に抜けてしまった高齢者に対し、インプラントを勧める歯科医はあまりいません。なぜなら高齢者の顎骨は弱っていることがあり、治療に耐えることができないケースがあるからです。しかしそのような患者さんであっても、インプラントを希望する人がおられるかもしれません。担当してくれている歯科医はこの高齢者のことを考え、体に負担のかからない治療を勧めるかもしれませんが、他の歯科医が顎骨を強くする治療を施し、インプラントを施せる状態へ回復できることを説明してくれたとします。この場合セカンドオピニオンが患者の希望している治療法となるために、選択肢の幅が広がることになるのです。

もちろん、歯科医もセカンドオピニオンを求める患者さんを悪く思ったりしません。歯は顔の見栄えに大きな影響を与えますし、生きていく上で非常に大切なものです。加えて永久歯は一度失うと生えてくることはありませんので、患者さんが自分の希望について述べるのは決して間違いではないのです。ここ日本でも「歯医者さんには絶対従うべき」という考え方が徐々に変化してきています。だからといって、担当してくれている歯科医の意見を無視してもよいというわけではありません。プロが患者さんの歯の状態を考慮し、ある種の治療法を勧めているわけですから、担当医の意見には必ず耳を傾けるべきです。


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