あらい歯科ブログ

歯科治療で行う麻酔の種類と副作用、禁忌行為やアレルギー

2018年2月9日 (金)

1,治療別、使う麻酔の種類と費用感、その効果時間・副作用について

(1)表面麻酔

歯科で使う麻酔の注射の痛みを和らげるために、麻酔薬を歯茎に塗って表面の感覚を麻痺させる方法です。具体的には、液体状またはジェル状の表面麻酔薬をコットンに染み込ませ、患者さんの歯茎に当てて数分待ちます。このあと麻酔の注射をすることで注射針刺入時の痛みがだいぶ軽減されます。

 

個人差はありますが中には注射針刺入時の痛みを全く感じない人もいます。また、かなりグラグラしている乳歯の抜歯の際にも使用されます。子供用の表面麻酔のジェルにはストロベリーなどの香りがついています。

 

表面麻酔薬の主成分はアミノ安息香酸エチルです。副作用として、むくみ、じんましん、めまい、眠気、不安感、興奮、嘔吐などがあります。このような症状があった場合は緊急に相談してください。当院で対処いたします。表面麻酔の効果時間は10分前後です。

 

歯科治療を受ける子供

(2)浸潤麻酔

一般的に歯科で行う麻酔のことです。治療する歯の近くの歯茎に注射をして麻酔薬を注入します。注射と聞くと痛そうとか危険など恐怖に思いますが、以前に比べて注射針がかなり細くなり、さらに表面麻酔を併用することで注射の時の痛みはだいぶラクになっています。また必要に応じて電動式注射器を使用したり、麻酔薬の温度管理をしたり様々な配慮をしています。矯正治療の場合は基本的には用いず、虫歯治療などの際に使用します。

浸潤麻酔の効果時間は1〜3時間(人によってはそれ以上)です。

 

(3)伝達麻酔

下の奥歯の虫歯治療や親知らずの抜歯のときに使用します。この部位は比較的麻酔が効きづらい場所です。そこで、脳から出た神経が下顎骨に入る手前のところに麻酔することで、舌や唇を含めて広範囲でよく効く麻酔が得られます。伝達麻酔は麻酔の効果が切れるまで3〜6時間(人によってはそれ以上)かかります。『長く麻酔が効いているのはイヤ』という方には多少不向きかもしれませんね。

 

(4)副作用について

浸潤麻酔や伝達麻酔に使う麻酔薬の成分は

主に、リドカイン塩酸塩(麻酔成分)とアドレナリン(血管収縮剤)が挙げられます。このアドレナリンの副作用として、血圧上昇や動悸があります。高血圧や心臓疾患をお持ちの方は注意が必要なので、事前に申し出ていただくことをおすすめします。その場合、アドレナリンを含んでいない麻酔薬もございますので、そちらを使用いたします。

 

その他の副作用として悪心、吐き気、手足の震えや痺れが起こることがあります。これらの症状は麻酔薬に対してのアレルギー反応ではなく、緊張状態や麻酔注射時の疼痛により起こる脳貧血が原因と言われています。

 

この場合は治療を中断して横になって休んでいると症状が改善することがほとんどです。

しかし、まれに麻酔薬の成分に対するアレルギーをお持ちの方がいらっしゃいます。その場合、麻酔をした直後に激しい動悸、悪心、吐き気や意識混濁などの副作用が現れます。過去に麻酔で副作用の出た経験のある方は、事前に歯科医師に申し出て頂けますようお願いします。

 

(5)費用について

保険診療の場合、以上に述べた麻酔のうち、表面麻酔と浸潤麻酔は特に費用がかかりません。その時おこなった虫歯治療や神経治療、抜歯、歯周治療など一般歯科治療の処置の費用のみ頂くことになります。伝達麻酔については費用がかかりますが、仮に3割負担の方の場合、その費用は140円ほどになります。

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2,麻酔が効くメカニズムについて(一般論)

浸潤麻酔の場合、歯茎に注射した麻酔薬(麻酔液)が顎骨の中を浸透していき、歯の根の周囲にある神経をブロックすることで効果が現れます。痛みなどの刺激が、脳に伝わらないように麻酔薬によりブロックするわけです。麻酔薬として歯科では主にリドカインを用います。

伝達麻酔の場合、麻酔薬を末梢神経束の周辺に注入して、痛み刺激の伝達をブロックします。歯科では主に下顎孔伝達麻酔が用いられます。

 

3,麻酔治療を受けるにあたって、飲酒など避けるべき行為について

歯の治療で麻酔をした場合、麻酔の効果が切れるまでの時間は1時間〜3時間ほどです。

(もちろん個人差があり、3時間以上効いている方もいらっしゃいます。)

麻酔が効いている間は、口の中の粘膜や唇の感覚が麻痺しています。その間に食事をすると、誤って唇などを咬んでしまうことがあります。お子さんなどは、唇が痺れている感覚が気になってしまい、自ら唇を咬んでしまう事がよくあります。すると、唇に傷ができてしまい、そこが口内炎になってしまいます。また、あまり強く咬んでしまうと、唇が腫れてしまうこともあります。さらに、麻酔が効いている間は温度感覚も無いため熱いものを食べてヤケドをしても気づきません。

 

以上のことから、麻酔した後に食事をする場合は、熱いものは避ける、何度も噛まないと飲み込めないようなメニューは避けるなどの気づかいが必要です。麻酔をしたあとの感覚を経験した事のある大人なら、麻酔が効いてない側で上手く食べられるかもしれませんが、麻酔経験の浅いお子さんなどは慎重になられた方が良いと思います。歯医者の麻酔とお酒はあまり関係ありません。俗に言う『お酒が強い人は麻酔が効きづらい』というのは、お酒が強い人は体力がある人が多いという傾向から骨が厚く、麻酔薬がしみ込んでいきづらい、という事だと考えられます。

 

歯科治療で麻酔をして抜歯をした当日は、飲酒は避けたほうが良いでしょう。お酒を飲む事で血流が良くなり、抜歯した場所から再出血し、腫れや痛みが増してしまうことがあります。歯科治療の前日に飲酒をしても、麻酔が効きづらくなるという事はありません。それよりも、長期にわたって放置されていた虫歯や、膿んだままになっていた歯など、歯の神経や周囲組織に炎症がある場合は麻酔が効きづらいことが多いのです。その場合、麻酔の量を追加して時間を長くおいたり、下の奥歯であれば伝達麻酔を併用したりして対応します。

 

つまり、痛みが出るまで放っておいてから治療するよりも、おかしいなと思ったら早めに治療しておくことで麻酔が効きにくくなる事はあまりありません。早期発見早期治療のためにも定期的に検診を受けることもオススメです。


カテゴリー: 豆知識

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