あらい歯科ブログ

歯周病と全身疾患との関連性

2017年6月18日 (日)

歯周病とは、歯垢のなかに生息している細菌によって、歯を支えている骨が溶けてしまう病気です。酷い口臭や歯茎の炎症といった症状が出ます。放っておくと歯を失ってしまうかもしれない危険な病気ですが、死ぬわけでもないからと、歯医者に行かずに放置してしまう人が多いのです。成人の方のほとんどがかかる病気とも言われており、あまり重く考えられていないのですが、この歯周病、全身疾患につながることもあるんです。

歯周病は、一見して口のなかだけの問題に思えますが、そうではありません。歯周病原因菌が繁殖すると、動脈硬化の原因となる物質が出て、血がうまく廻らなくなることがあります。そうなると、血管が塞がってしまい、狭心症・心筋梗塞といった病気になることも……。命にかかわる病気ですので、怖いですよね。

また、心筋梗塞以外にも、脳梗塞になる可能性もあります。脳梗塞は、下手をすると一生寝たきりになったり、マヒが残ったりする危険な病気です。歯周病の人は、健康な人の2.8倍脳梗塞になる可能性が高いので、歯周病のケアはしっかりしたほうがいいです。

心筋梗塞・脳梗塞ほど直接的ではありませんが、ほかにも健康を害する病気になる場合があります。そのひとつが糖尿病です。

歯周病は糖尿病の合併症のひとつであり、このふたつの病気は相互に影響し合っています。歯周病にかかってしまうと、糖尿病の症状が悪化してしまうようです。逆に、歯周病を治すことで糖尿病の症状も改善されるというデータもあります。というのも、歯周病にかかると歯肉から歯周病菌が侵入し、血管にエンドトキシンという内毒素が撒き散らされることになります。そうなると、血糖値を下げる働きを持つインスリンの生産が阻害され、糖尿病の症状が悪化してしまうのです。

ほかにも、異物を間違って肺に取り入れてしまう誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)、骨がもろくなり骨折しやすくなる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、メタボリックシンドロームや関節炎、腎炎の原因にもなります。

また、歯周病が原因となる弊害の影響は、本人だけにとどまりません。妊娠中の女性が歯周病にかかった場合、早産や低体重出産の原因になります。

以上のように、歯周病は歯だけの病気ではなく、命にかかわる全身疾患を誘発する危険な病でもあります。対したことの無い病気と侮らずに、自身が歯周病かもしれないと感じたらすぐに歯医者に行き、治療してもらいましょう。


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