あらい歯科ブログ

口臭と虫歯は関係があるのですか?

2017年7月13日 (木)

自分の口臭が気になると悩んでいる人は案外多く、最近では口臭治療を専門とする口臭外来を開設している総合病院や歯科医院もあります。

口臭の原因のひとつが虫歯です。虫歯が進行中の人、治療した歯が多い人は、特に口臭を気にする傾向があるようです。

口臭の直接の原因は、虫歯になった歯そのものではありません。虫歯による口臭の多くは、虫歯由来の臭い、または歯周病によるものです。

虫歯は、口の中の細菌が食べカスを餌にして繁殖する時に発生する酸が歯を溶かすことによって引き起こされるものです。初期段階の虫歯が口臭の原因となることはほとんどありません。

虫歯の穴の中に食べカスが詰まり、その食べカスを細菌が栄養としてまた酸を発生することになります。その酸が更に歯を溶かして虫歯がひどくなり、放置しておくと、歯の中で細菌が増殖して臭いを発生することになります。重度の虫歯の場合は、神経が死んでしまって歯髄壊疽と呼ばれる状態になり、腐敗臭が出ることもあります。この場合は、はっきりと自覚できる強い臭いを発します。

また、虫歯の穴に詰まった食べカスは歯磨きだけでは簡単に取り除くことができません。そのまま腐っていくことでガスが発生し、その腐敗臭が口臭の原因となる場合もあります。

口臭が気になり、虫歯の心あたりがある人は、すぐに歯医者で診察を受けた方がいいでしょう。虫歯の進行により、ますます口臭がひどくなることも考えられますし、放置しておくと歯を失うことにもなりかねません。

治療済みの歯が多い人は、被せた金属やブリッジの隙間など口内に細菌が付着しやすい場所が多いため、口臭が発生しやすい口内環境だと言えます。食べカスが詰まっていると、更なる虫歯ができる可能性もあります。歯間ブラシやデンタルフロスも使った丁寧な歯磨きで食べカスや歯垢を綺麗に取り除くと同時に、やはり歯科医院で正しい歯磨きの指導を受けた方がよいでしょう。

強い腐敗臭が続く場合は、虫歯が口臭の原因となっている可能性が高いのですが、歯周病(歯槽膿漏)が進行している場合もあります。

いずれにしても、はっきりと自覚できる、あるいは家族などから指摘されるほど強い口臭が続く場合は、すぐに歯医者で診察を受ける必要があります。

虫歯がなくても人にはもともと生理的な口臭があります。しかし、気になるようでしたら、検診を兼ねて歯科医院で診察を受け、必要なら早めに治療することで、口内の健康を守ることができます。


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